SEM-TypeⅡコントラストによる磁区観察



 SEM-TypeⅡコントラストによる磁区観察

 1. 概要

 SEM-TypeⅡコントラストは、試料に入射した電子がローレンツ力により偏向され、磁束の方向によって電子の向きが変わり、コントラスト差が生じる現象を利用した磁区観察手法です。
 磁束の方向が電子線入射軸に垂直な場合はコントラストが生ぜず、平行な場合はコントラストが最大となります。バルク試料を用いて、軟磁性材料の磁区観察が可能です。

 2. 特徴

 ・観察にSEMを用いる為、高倍率で磁区の観察が可能です。
 ・磁区観察と同一視野でEDXによる元素分析や、EBSDによる結晶方位解析が可能です。

 3. 測定事例

 軟磁性材料、13%Cr電磁ステンレスの応力付与前後における残留磁化状態の磁区観察結果

 4. 結果

 応力付与前後では磁区のサイズが変わっていることが見て取れます。
 これは応力付与により生じた歪による影響で、磁区が細かくなったのではないかと推定されます。
 本技術ではこのように細かい磁区まで 観察できる為、磁区の挙動を捉えることが可能です。