EBSDによる異種金属接合部の結晶評価


 概要

 当社では、鉄鋼や磁石材料に対するEBSD解析の豊富な実績・知見を有しております。
 非鉄金属のEBSD解析は、鉄鋼・磁石材料とは別の難しさがありますが、当社独自の技術を用い、 前処理方法を最適化することにより各種金属のEBSD解析を可能としています。
 ・異種多層(特に異種境界層)の観察・解析が可能(単独材質も当然可能)です  ・適用材質:銅、ハンダ(Sn-Ag、Sn-Pb系他)、アルミ、チタンなど

 EBSD解析から得られる主な情報

 (1)結晶方位(IPFマップ、極点図、Schmid Factorマップ)
 (2)結晶相(Phaseマップ)
 (3)歪(KAMマップ、GRODマップ、GAMマップ、GOSマップ)
 (4)結晶粒径

 測定事例

 表面実装基板等で使用されているハンダ部の破壊原因として熱疲労によるものがあります。
 破断は結晶粒の粗大化や接合界面近傍の歪により起こる場合があります。
 これらの評価はミクロ組織観察や通常のSEM観察だけでは限界があり、EBSDを使用することで正しく評価することができます。
 ・対象:パソコン用の増設メモリ(DRAM*)基板 *DRAM:Dynamic Random Access Memory
 ・部位:パッケージ部品(SOP*)のリード部 *SOP:Small Outline Package


 EBSD解析結果
 リード部(Cu)とハンダ境界部に析出したSn系化合物(CuSn,Ag4Sn等)の結晶方位及び歪解析ができます。