EBSDによるチタン材料の結晶評価


 チタン合金とは

 チタンは軽量、高耐食性、高比強度等の特徴があり、これらの優れた特性から航空宇宙、 医療、発電・化学プラントで使用され、身近なところではゴルフクラブにも使用されています。
 チタンは結晶構造によりα型(純チタン)、α+β型(Ti-6Al-4V)、β型(JIS80種)に区分されます。
 α型、α+β型は耐熱用途に、β型は高成形性あるいは強靭用途に適用されます。
 上記以外にAl添加により、強度アップし、耐熱性を改善したTi-Al合金も存在します。

 EBSDによるチタン材料の評価

 当社では、各種チタン材料の評価にEBSD測定を用いることでミクロ組織観察だけではわからない結晶学的な情報を取得し、 材料開発に有益な知見を提供します。
 また、一般的な鋼材に比べてチタン材料はEBSD用前処理が難しいとされていましたが、 当社独自の前処理にて、多種多様なチタン材料EBSD解析を可能としました。

 EBSD解析から得られる主な情報

 (1)結晶方位(IPFマップ、極点図、Schmid Factorマップ)
 (2)結晶相(Phaseマップ)
 (3)歪(KAMマップ、GRODマップ、GAMマップ、GOSマップ)
 (4)結晶粒径

 測定事例

 (1)純Ti(α型)双晶なし

 (2)純Ti(α型)双晶あり

 (3)Ti-6Al-4V合金(α+β型)

 (4)Ti-Al合金(積層造形品:東京都立大学大学院様ご提供)