ヒートチェック試験による金属の熱疲労特性評価


 ヒートチェック試験がなぜ必要か

 熱間金型用鋼はダイカストや熱間・温間鍛造で使用され、耐摩耗性、耐ヒートチェック性(熱疲労割れ)等が要求性質としてあります。
 特にアルミダイカスト型の最大寿命決定因子はヒートチェックと云われています。
 対摩耗性向上を狙い母材(SKD61、マルエージング鋼他)に色々な表面処理(窒化、CVD、PVDなどの硬質皮膜処理)が行われていますが、 万能なものはなく用途により最適な表面処理の種類や深さ(厚さ)、性状を試行錯誤して決めていく必要があります。
 上記の調査手段としてヒートチェック試験があり、金型用材料の製造メーカーの子会社として、数多くの評価試験を行っております。


 ヒートチェック試験とは

 金属が加熱と冷却の温度変化の繰り返しを受けると、熱応力による疲労問題が発生します。
ヒートチェック試験は試験片に急速な温度変化を与え、膨張と収縮を繰返し行うことで割れ(クラック)の発生を促進し、  熱疲労を迅速に再現できる加速試験です。主成分を鉄とする金型の評価に最適です。
 ※ヒートチェックとは…熱疲労により発生する亀甲状の亀裂のことを指します。

ヒートチェック試験とは

 評価方法

 試料の全周を90°毎に分割し、クラック数とクラック深さ等を測定します。
 加熱:高周波誘導加熱
 冷却:噴射水

 試験条件例

 温度:700℃
 サイクル数:1000サイクル

試験条件例

 測定例

 温度:700℃
 サイクル数:1000サイクル

測定例