SEM-ECCI法による半導体(GaN)の転位観察
概要
窒化ガリウム(GaN)等のパワー半導体において、製造時に含まれる転位はデバイス性能の低下や短寿命化の要因とされています。
半導体の転位観察は主に透過電子顕微鏡(TEM)やエッチピット法が用いられますが、SEM-ECCI法を用いると容易な前処理で観察可能となります。
SEM-ECCI法による転位観察の原理
単結晶試料を特定の電子線入射条件でSEM観察すると反射電子像では一様な輝度が得られますが、
転位などの欠陥の周囲では歪により画像にコントラストの変化が生じます。
このコントラストを利用して転位の可視化を行う観察方法を ECCI法(Electron Channeling Contrast Imaging) と言います。
測定事例
・ 供試材:単結晶GaN
(サファイア基板上にGaNを成膜したウェハ)
・ 面方位:C面(0001)±0.5°
・ GaN膜厚:4.5±0.5μm
・ 測定条件:後方散乱モード
単結晶GaNに対して後方散乱モードでECCI 観察を行い、表面に現れた貫通転位の端部が確認されました。